2017年11月17日金曜日

独身と出生率(独身党結党3周年記念)

一般的に婚姻は少子化の解消手段とされる事が多いが、その検証は極めて脆弱と言える。数値面から本件検証を行う。

II   定義
1.   出生率
人口1000人当りの1年間の出生数
2.   合計特殊出生率
一般的に出産が可能とされる15歳から49歳までの女性の、一年間一人あたりの出産人数。正確には、各々の年齢の出生率を合計したもの。
3.   婚姻率
人口1000人当りの婚姻件数

III  調査と結果
1.   重回帰分析
目的変数を出生率、説明変数を合計特殊出生率(x)・婚姻率(y)として回帰分析を行い各々の影響具合を確認した。その結果得られたのは以下の結果。なお、データは1947年から2016年までの70年間の厚生労働省のデータを使用。
出生率=6.495111x+1.1278y-6.21973
2.   グラフにおける確認
(1)  婚姻率と出生率
婚姻率出生率ともに右肩下がりなので一見相関高そうにも見えるが、回帰分析の示したように婚姻率が与える影響はさほど強くない。例えば、1987年以降の婚姻率上昇期に出生率は下がっている。
(2)  合計特殊出生率と出生率
では、影響の大きい合計特殊出生率と出生率の関係をグラフで確認すると、当然の様に遥かにフィット感がある。ところが、2004年から直近までの状況を見ると合計特殊出生率が上昇に転じたのに出生率は加工を続けている。これは一見かなり違和感がある。

IV   考察
合計特殊出生率の近年の改善にも関わらず出生率が落ちている理由を推測すると、出生率の分母の問題と思われる。すなわち、高齢化が進んで女性の平均寿命が87歳に伸長しているのにも関わらず、子供が産める年齢層は閉経の壁がありアップしない。だから、この層の合計特殊出生率がアップしても、女性の人口における出産可能人口は相対的に減少し、出生率をアップさせるに及ばなくなっている。

以上